ニュースって何?意外と知らない定義と書き方

新聞記者たるもの、基本的にはニュースを書いているはず。

しかし「これニュースになってないぞ!書き直し!!」と言われた経験ってありませんか?


「いや、ニュース書いてるし!」と逆ギレする前に、今回は意外と陥りがちな「ニュースの定義」と実践的な書き方の説明を聞いてください。

あと上司とか先輩に逆ギレすると、普通に心証が悪くなるから止めたほうがいいです。


そもそもニュースの辞書的な意味は

最新の情報や出来事の報道

であるとされています。

これを踏まえて、次の2つの記事を読み比べてみてください。


(1)

メルカリのグループ会社であるソウゾウ(東京都港区)は、2月27日から新たにシェアサイクル事業を開始した。「メルチャリ」という名称で、専用のアプリを使って借りられる自転車を探し、解錠や料金の支払いもアプリで完結する。まずは福岡市内でサービスをスタートさせ、順次エリアを拡大させていく。 


(2)

「10人いれば1、2人は好きになってもらえるような部屋づくりを目指している」。そう話すのは、B建設(東京都八王子市)の田中課長。同社はマンション・施設開発事業以外にも、4年前から「リノベーションスタジオ」のブランド名で中古マンションの買取再販事業を開始。ターゲットを限定したコンセプトのある部屋づくりで、ユーザーからの人気を集めている。


先程の定義を踏まえると、どちらがよりニュースに近いと言えるでしょうか?



早速答えを言ってしまうと・・・

正解は(1)です!!


もう一度よく2つの記事を読んでみると、

(1)はメルカリが、新しくシェアサイクルの事業を始めたことがが書かれています。

(2)はB建設の以前から行っている事業の説明です。


もっと噛み砕いて言うと、

(1)では「シェアサイクル事業はやっていない」以前の状態から「シェアサイクル事業を行っている」状態にメルカリが変化しています。

一方(2)は4年前から中古マンションの事業を行っていることは変わりません。


つまり、ニュースとは、「最近あるものが以前の状態から別の状態に変化した」ことを伝えるものであることが分かります。

例えば・・・

・社長の交代などの人事
・売上や業績の増減
・新商品や新サービスの発売
・トレンド、流行り

などが経済ニュースではよく取り扱われています。


注意が必要なのは、この状態の変化はなるべく客観的事実であるほうが好ましいということです。

例えば

・人気が出ている
・注目されている

という書き方は間違いとは言いにくいのですが、

「サービスの利用者が2カ月前と比べると20%増えた」といった客観的事実を本文中に記載しておかなければなりません。

これをやっておかないと

「いー感じのサービスだし、人気出てるんじゃない?」という記者の主観に基づく曖昧なニュースになってしまいます。


「ニュースになっていない」と言われたときは、自分の原稿が「状態の変化」についてはきちんと書かれているか、その事実が記事中に示されているかをチェックしてみましょう!


では完璧に(?)ニュースの意味が分かったところで、実際の書き方を紹介していきます。

原稿の書き直しと聞くだけでお腹が痛くなる人もいるかもしれませんが、

たった2つのポイントを押さえるだけで

記事をニュースにすることができます。


それは

見出し

最初の一文

です。


まず見出しから。

ニュースでは「状態の変化」を書く必要があるので、見出しでもそれを表現します。

例えば

○○氏に社長交代、前期売上10%増、新サービス開始

などです。

ポイントは、交代、増(加)、開始など変化を示す言葉を入れることです。


次に最初の一文。

これも見出しと同じで、「何が変化したのか」を書きます。

A社は今夏から、新たなサービス「B」を開始する。

といった感じですね。


しかし意外とこれができていない場合が結構あります。

その理由は

・A社が知られていない会社なので、その説明をしたい

・Bというサービスが複雑なので、その説明をしたい

・そもそもなぜこのサービスを始まったのか、何をよりもそれを説明したい!

というのが多い気がします。


この辺の「状態の変化」を補足する周辺情報を最初に持って来過ぎると、本来まず最初に読者に伝えたい変化がぼやけて、伝わりにくくなります。

そのため、周辺情報は2番目以降、もしくは次の段落で説明するようにしましょう!


今回は、ニュースの定義とその書き方を紹介しました。

ポイントを押さえれば、ニュース記事を書くことはそれほど難しくないので、ガンガンニュースを量産していきましょう!

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